当サイトの記事は、編集部が市町村の下水道の案内や国民生活センターなど公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。排水設備の基準や管理の区分、指定工事店の制度は市町村によって違うことがあるため、最新の情報はお住まいの市町村の下水道の担当窓口で確認してください。
台所の流れが最近なんだか悪い。庭の桝を開けてみたら、白い塊がびっしり浮いていた。そんな場面で、この記事にたどり着いた方も多いはずです。
結論から言うと、キッチン排水桝のトラブルの多くは「油」が原因です。流す物を少し変えて、年1回ふたを開けて見るだけで、かなり防げます。
この記事を読むと、台所の外の桝で何が起きているのか、そして自分で直せる所と業者に任せる所の境目が分かります。
キッチン排水桝ってどこにある?台所の外の桝の役割
台所の排水は、家の外壁のそばにある桝を通って、敷地の出口の公共ますへ流れていきます。台所の真下あたりの外にある桝が、いちばん油の汚れがたまりやすい場所です。
『そもそも、うちの台所の排水がどこにつながっているか分からない』という方もいますよね。
台所のシンクから出た水は、床下の管を通って家の外に出ます。外に出た所や、管が曲がる所・ほかの管と合流する所に、点検と掃除のための桝が置かれています。
桝がこうした場所に置かれるのは、排水設備の基準でそう決まっているからなんです。管の起点や合流点、曲がる所などに桝を設けることが、多くの市の指針で共通して定められています。
台所の外の桝は、家の中のトラブルを外から確かめられる「のぞき窓」のようなものです。桝そのものの役割は排水桝とは?役割と種類で詳しく紹介しています。
台所の排水桝は誰が管理するの?
宅地の中にある桝と管は、家の持ち主が管理するものです。横浜市や広島市の案内でも、宅地内の排水設備の維持管理は持ち主の責任で、費用も個人負担とされています。
道路から約1mの所にある公共ますから先は、市町村の管理です。呼び方や区分は自治体で違うことがあるので、最新の情報はお住まいの市町村の下水道の担当窓口で確認してみてください。
| 場所 | 主な管理者 | 困った時の相談先の例 |
|---|---|---|
| シンクから外壁までの管 | 家の持ち主 | 工事した会社・水回りの修理を受ける業者 |
| 台所の外の桝・宅地内の管 | 家の持ち主 | 市の指定工事店・水回りの修理を受ける業者 |
| 公共ます(道路から約1m)から先 | 市町村 | 市町村の下水道の担当窓口 |
台所の外の桝で起きる3つのこと
台所の排水桝で起きることは、ほとんどが「油が冷えて固まる」「野菜くずや食べかすがたまる」「においが上がる」の3つです。それぞれ原因と見た目が違います。
仙台市の案内でも、下水道が流れない原因の多くは油が固まることや異物が入り込むことだとされています。台所はまさに、その油と異物が出やすい場所なんです。
それぞれの症状を、見た目と家の中のサインで表にしました。ふたを開けた時の見当づけに使ってみてください。
| 起きること | 桝の中の見た目 | 家の中のサイン | まずできること |
|---|---|---|---|
| 油が冷えて固まる | 白やクリーム色の塊が浮く・壁にこびりつく | 流れが遅い・ゴボゴボ音がする | 塊をスコップなどで取り除く |
| 野菜くず・食べかすがたまる | 底に細かいくずが沈んでいる | 少しずつ流れが悪くなる | くずをすくい取り、水を流して確かめる |
| においが上がる | 汚れが残り、水がよどんでいる | シンクまわりや外でにおう | 汚れを取り、桝のふたがきちんと閉まるか見る |

油は流した時は液体でも、桝の中で固まる
『お湯と一緒に流せば大丈夫でしょ?』と思っている方も多いはずです。
実は、油は排水管の中や桝の中で冷えると固まってしまいます。神戸市や仙台市も、油を流さないよう呼びかけています。
例えば、揚げ物の後のフライパンを洗って、温かい油をそのまま流した場合。家の中では問題なく流れても、外の桝で冷えて白い塊になり、少しずつ管の入口をふさいでいきます。
においは「汚れがたまっているサイン」のことが多い
台所の外でにおいがする時は、桝の中に油や食べかすが残っていることがよくあります。
台所の排水口にはトラップ(防臭装置)がついていて、ためた水がふたの役目をしています。においの止め方のしくみはトラップ桝の記事で紹介しています。
流してよい物・流さない物の早見表
台所から流してよいのは、基本的に水と、食器を洗った後の水です。油や食べかす、水に溶けない物は流さないでおきましょう。
結論から言うと、桝を詰まらせないいちばんの近道は「流さない物」を知っておくことです。
神戸市・仙台市の呼びかけをもとに、台所で迷いやすい物を早見表にしました。
| 台所で出る物 | 流してよいか | 代わりの捨て方 |
|---|---|---|
| 食器を洗った水 | 流してよい | そのまま流す |
| 揚げ物や炒め物の油 | 流さない | 市販の凝固剤で固める・新聞紙などにしみこませてごみに |
| フライパンや皿に残った油汚れ | 流さない | 古紙でふき取ってから洗う |
| 野菜くず・残飯 | 流さない | 排水口のごみ受けで受けて、ごみに出す |
| 水に溶けない固形物 | 流さない | ごみとして出す |
| 灯油など | 流さない(危険) | 捨て方はお住まいの自治体の案内で確かめる |
- フライパンの油は古紙でふき取ってから洗う
- 揚げ油は凝固剤で固めるか、紙にしみこませて捨てる
- 排水口のごみ受けをこまめに空にする
- 細かい食べかすもごみ受けで止めてから捨てる
細かい食べかすも積もれば詰まりの元
『ごみ受けを通った細かいくずくらいなら平気』と思いがちですよね。
ただ、細かいくずは油と混ざると、桝の中でまとまりやすくなります。ごみ受けに目の細かいネットをかけるなど、くずを家の中で止める工夫をしておくと安心です。
揚げ油は「固める」か「しみこませる」
『揚げ物のたびに油の捨て方で迷う』という方もいますよね。
自治体の呼びかけで紹介されている方法は、大きく2つです。量や使う場面で使い分けてみてください。
| 捨て方 | 向いている場面 | やり方のポイント |
|---|---|---|
| 市販の凝固剤で固める | 揚げ物の後など、鍋に油がたくさん残った時 | 製品の説明どおりに固めてから、ごみとして出す |
| 新聞紙や古紙にしみこませる | 炒め物の後など、少量の油の時 | 袋に紙を詰めて油を注ぎ、口を閉じてごみへ |
フライパンに薄く残った油は、洗う前にキッチンペーパーや古紙でひとふきするだけで十分です。この一手間で、外の桝に流れていく油がぐっと減りますよ。
ごみの分別のしかたは自治体ごとに違います。どのごみに出すかは、お住まいの自治体の案内で確かめておきましょう。
年1回の点検でキッチン排水桝を守る手順
仙台市は宅地内の排水設備の「定期健診」として、年1回程度ふたを開けて堆積物を取り除き、流れを確かめるよう呼びかけています。神戸市も、少なくとも年に一度の点検とお手入れをすすめています。
台所排水桝の点検は、思ったより簡単です。必要なのはゴム手袋とスコップ、バケツ、ホースくらいです。
- ゴム手袋をして、台所の外の桝のふたを開ける
- 浮いている油の塊や、底にたまったくずを見る
- 塊やくずをスコップですくい取り、ごみ袋に入れる
- 台所の水を流してもらい、桝に水がスムーズに流れてくるか見る
- ふたを元どおり閉め、がたつきがないか確かめる
2人で作業できるなら、外で桝を見ている人に向かって「今から流すよ」と声をかけて、台所で水を出すと流れ方が分かりやすいですよ。
取り出した油の塊は、水で流さずにごみとして出しましょう。下水に戻すと、また詰まりの元になってしまいます。
深い桝の奥まで手を入れたり、身を乗り出して中をのぞき込んだりするのは危ないのでやめておきましょう。洗剤や薬品を混ぜて流すのも避けてください。
掃除の道具や手順は排水桝の掃除のやり方で詳しく紹介しています。
固まった油で流れが悪い時、自分でやる所・業者に任せる所
桝の中に見えている塊を取り除いて流れが戻るなら、自分で対処できます。取り除いても流れない、桝に水がたまったまま引かない時は、管の奥が詰まっている可能性があります。
『どこまで自分でやっていいの?』と迷いますよね。ここが大事なところです。
状況ごとに、自分でやること・任せることを分けてみました。
| 状況 | 考えられること | 自分でやること | 業者に任せること |
|---|---|---|---|
| 桝に塊が浮いているが水は流れる | 桝の中の汚れ | 塊を取り除き、水を流して確かめる | なし |
| 塊を取っても流れが遅い | 管の入口付近に油がこびりついている | 桝から見える範囲を掃除する | 管の中の高圧洗浄 |
| 桝に水がたまって引かない | 下流の管か桝が詰まっている | 公共ますにも水がたまっているか見る | 管の奥の詰まりの除去 |
| 公共ますにも水がたまっている | 公共下水道側の詰まりの可能性 | 市町村の担当窓口に連絡する | 自分では手配しない |
先に公共ますを見ておく理由
仙台市の案内では、公共ますのふたを開けて汚水がたまっていれば、公共下水道の詰まりとされています。たまっていなければ宅地内の詰まりです。
自分で業者を呼んだ後で原因が公共下水道だと分かっても、業者の費用は自己負担になります。だからこそ、先に公共ますを見ておく意味があるんです。
詰まりを自分で直す手順は排水桝のつまりを自分で直す方法にまとめています。
排水桝ドットコム
自分で直せない排水桝のつまりは、業者の見積もりで比べませんか
ふたを開けても原因が見えない、何度も詰まる、木の根が奥まで入っている。そんな時は無理をせず、つまり修理や排水管の工事を頼める業者に相談するのが近道です。頼む前に確かめることと、見積もりを同じ物差しで比べる手順をまとめました。
業者の選び方排水桝の修理業者の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。公共ますから先の詰まりは市町村の担当です。作業の内容・料金・保証は各業者に直接ご確認ください。
業者に頼む時に伝えておくこと
管の奥の詰まりは、業者に高圧洗浄などで対応してもらうことになります。頼む時は、どの桝に水がたまっているか、公共ますの状態はどうかを伝えると話が早いですよ。
例えば「台所の外の桝に水がたまっていて、油の塊は取りました。公共ますは空です」と伝えれば、状況がすぐ伝わります。
業者の探し方や見積もりで確かめることは業者に頼む方法と選び方で紹介しています。
よくある相談:台所の排水桝の掃除は誰がするの?
台所の排水桝については、掃除の必要性や、掃除しても繰り返す詰まりの相談がよく見られます。ここでは代表的なものを2つ取り上げます。
排水桝の掃除って、そもそも必要?
排水桝というものを初めて知った、掃除は本当に必要なのか、という相談です。
結論から言うと、年に1回くらいはふたを開けて見ておくのがおすすめです。宅地内の桝は持ち主の管理なので、誰かが代わりに掃除してくれるわけではありません。
台所の外の桝は油がたまりやすいので、特に見ておきたい場所です。何も問題がなければ、見るだけで終わってもかまいません。
油の塊を取ったのに、またすぐ流れが悪くなる
台所の桝で油の塊を取り除いたら一時的に良くなったけれど、またすぐ詰まってきた、という相談です。
この場合、桝の中だけでなく、その先の管の内側にも油がこびりついていることが考えられます。桝の掃除だけでは届かない部分なので、高圧洗浄などを業者に相談するのが現実的です。
あわせて、台所で油を流さない習慣を見直してみてください。原因を減らさないと、きれいにしてもまた同じことが起きてしまいます。

よくある質問
キッチン排水桝はどのくらいの頻度で掃除すればいいですか?
仙台市や神戸市の呼びかけでは、年1回程度ふたを開けて点検するのが目安です。油をよく使う家庭では、流れが悪いと感じた時にも見てみましょう。
台所排水桝に浮いている白い塊は何ですか?
多くは、流した油が冷えて固まったものです。スコップなどで取り除き、水で流さずにごみとして出しましょう。
市販のパイプクリーナーで外の桝の油は溶かせますか?
家庭用の液体パイプクリーナーは、台所や浴室の排水口・排水パイプ向けの製品です。屋外の桝で固まった油は、取り除く方法で対処するのが基本です。
台所で水を流すとゴボゴボ音がするのは詰まりのサインですか?
管の中で水の流れが悪くなっている時に、音が出ることがあります。外の桝のふたを開けて、油の塊やたまった水がないか見てみましょう。
賃貸住宅の台所の桝が詰まったらどうすればいいですか?
宅地内の設備は建物の持ち主の管理なので、まずは大家さんや管理会社に連絡しましょう。自分で業者を手配する前に相談しておくと安心です。
まとめ
- 台所の排水桝のトラブルは「油が固まる」「くずがたまる」「においが上がる」の3つ
- 油や食べかすは流さず、ふき取ってごみに出すのがいちばんの予防
- 年1回はふたを開けて、塊を取り除き流れを確かめる
- 塊を取っても流れない時は、公共ますを見てから業者や市町村に相談する





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