排水桝のつまりを自分で直す方法|道具と手順・やってはいけないこと

排水桝のつまりを自分で直す方法と道具、やってはいけないことを解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が市町村の下水道の案内や国民生活センターなど公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。排水設備の基準や管理の区分、指定工事店の制度は市町村によって違うことがあるため、最新の情報はお住まいの市町村の下水道の担当窓口で確認してください。

台所や風呂の流れが悪い。庭の桝のふたを開けたら、水がたまったまま引いていかない。そんな時、業者を呼ぶ前に自分で何とかできないかと考えますよね。

結論から言うと、排水桝のつまりは、桝の中で取れる物なら自分で直せることが多いです。ただし、管の奥の詰まりや公共ますから先の詰まりは、自分で手を出さない方が安心です。

この記事を読むと、詰まりの場所の見分け方と、自分で直す手順、やめておいた方がいい作業の境目が分かります。

目次

排水桝のつまり、まずは場所を3段階で見分けよう

先に結論

詰まりの場所は「家の中の器具」「宅地内の桝と管」「公共ますから先」の3段階に分けて考えます。どこまで水がたまっているかを見れば、どの段階かの見当がつきます。

『とにかく桝の中をきれいにすれば直るはず』と思いがちですよね。

実は、詰まっている場所によって、やることも連絡先もまったく違うんです。最初に場所の見当をつけるだけで、無駄な作業や出費を減らせます。

段階主な場所こんな様子なら主に対応する人
1 家の中の器具便器・台所や風呂の排水口・器具の下の管1か所の水回りだけ流れない・外の桝は空自分(ラバーカップなど)
2 宅地内の桝と管家のまわりの桝と、それをつなぐ管複数の水回りが流れにくい・外の桝に水がたまる自分か、工事した会社・修理業者
3 公共ますから先道路から約1mの公共ますと、その先の下水道公共ますに汚水がたまっている市町村の下水道の担当窓口
排水桝のつまりを、家の中の器具・宅地内の桝と管・公共ますから先の3段階に分け、水がどこまでたまっているかで判定する流れの図解

公共ますを先に見る理由

仙台市の案内では、公共ますのふたを開けて汚水がたまっていれば、公共下水道の詰まりとされています。たまっていなければ宅地内の排水設備の詰まりです。横浜市も「接続ます」で汚水があふれているかを確かめるよう案内しています。

ここが大事なところです。自分で業者を手配した後で原因が公共下水道だと分かっても、業者の費用は自己負担になります(仙台市)。

公共ますの役割は仙台市の公共ますの案内で確かめられます。

宅地内の桝が複数ある時の見方

戸建ての敷地には、桝がいくつも並んでいることがよくあります。家に近い上流の桝から、道路側の下流の桝へ、順にふたを開けて見ていきましょう。

水がたまっている桝と、空の桝の間に詰まりがあると考えられます。例えば、台所のすぐ外の桝は水でいっぱいなのに、その次の桝が空なら、その2つの間の管が怪しいということです。

宅地内と公共の境目を知っておく

宅地の中の桝と管は、家の持ち主が管理するもので、費用も持ち主の負担です(横浜市・広島市)。公共ますから先は市町村の管理になります。

区分や呼び方は自治体で違うことがあるので、最新の情報はお住まいの市町村の下水道の担当窓口で確認してみてください。

排水桝のつまりを自分で直す道具と手順

道具は家にある物でほとんど足りる

自分で直す時の道具は、ゴム手袋・スコップ・バケツ・ホース・ごみ袋が基本です。家の中の器具が詰まっている時は、ラバーカップも用意します。

『専用の道具を買わないとだめ?』と心配する方もいるはずです。

神戸市の案内でも、油や土砂はスコップなどで取り除く、木の根ははさみで切り取る、とされています。特別な道具がなくても始められるんです。

道具使う場面選び方のポイント
ゴム手袋すべての作業ひじ近くまで覆える長めの物
スコップ(小さめ)油の塊・土砂・紙をすくう桝の口に入る大きさ
バケツ・ごみ袋取り出した物を入れる袋は二重にするとにおいが漏れにくい
ホース取り除いた後に水を流して確かめる水道から桝まで届く長さ
はさみ・剪定ばさみ桝の中に見えている細い根を切る手を桝の奥に入れずに届く物
マイナスドライバーふたを持ち上げるすき間に差し込める物
ラバーカップ便器や排水口の近くの詰まり便器用と排水口用で形が違う
排水桝のつまりを自分で直す時に使う、ゴム手袋・スコップ・バケツ・ホースを桝のそばに並べた手元の写真
作業を始める前のチェック
  • 家族に声をかけて、作業中は水を使わないようにしてもらった
  • ゴム手袋をはめ、汚れてもいい服に着替えた
  • 取り出した物を入れる袋とバケツを近くに置いた
  • 公共ますの状態を先に見ておいた

自分で直す基本の手順

取り除いて、流して、確かめるの3つ

基本は、桝の中の詰まりの元を取り除き、水を流して、流れが戻ったかを確かめる流れです。詰まりの元が油・土砂・紙・木の根のどれかで、少しずつやり方が変わります。

排水桝のつまりを自分で直す時の、基本の手順です。どの詰まりでも、まずはこの流れで進めてみてください。

自分で直す基本の手順
  1. 水がたまっている桝と、空の桝を確かめて、詰まりの場所の見当をつける
  2. 水がたまっている桝のふたを開け、浮いている物や沈んでいる物を見る
  3. 見えている塊や土砂、紙などをスコップですくい取り、袋に入れる
  4. 桝の中の水が引いていくか、しばらく様子を見る
  5. ホースや家の中の水で少しずつ水を流し、次の桝へ流れていくか確かめる
  6. 流れが戻ったら、ふたを元どおり閉めて作業を終える

水を流して確かめる時は、外の人と家の中の人で声をかけ合うと分かりやすいですよ。「今から台所の水を出すね」「こっちの桝に流れてきたよ」という具合です。

油の塊で詰まっている時

台所の外の桝に白い塊が浮いている時は、流した油が冷えて固まったものです。仙台市の案内でも、下水道が流れない原因の多くは油が固まることや異物が入り込むことだとされています。

塊はスコップですくい取り、水で流さずにごみとして出しましょう。桝の壁にこびりついた油も、届く範囲でこそげ落とします。

台所の桝の油対策は台所の排水桝の記事で詳しく紹介しています。

土砂がたまっている時

雨水桝の底は、泥だめといって、土砂をためる作りになっています。広島市は、雨水桝の底の沈殿物について月1回程度の清掃を呼びかけています。

泥がたまって水が流れにくい時は、スコップで底の土砂をすくい取りましょう。取った土砂を桝の中や側溝に戻さないよう気をつけてください。

紙や水に溶けない物が引っかかっている時

トイレの排水が通る汚水桝で、紙などが引っかかっていることがあります。見えている物は、スコップで引き上げて袋に入れましょう。

紙おむつや水に溶けないティッシュが出てきたら、家族で流さない物を確かめておくいい機会です。トイレの詰まりの見分け方はトイレの排水桝の記事で紹介しています。

木の根が見えている時

桝の中に細い根が見えている時は、手の届く範囲ではさみで切り取ります(神戸市の案内)。切った根は袋に入れて捨てましょう。

ただ、根が管の奥まで回っている時は、桝の中を切っただけでは直りません。根の対処は排水桝に木の根が入った時の対処で詳しく紹介しています。

家の中の器具が詰まっている時

外の桝が空で、1か所の水回りだけ流れない時は、家の中の器具の詰まりが考えられます。広島市の案内では、排水口の近くの簡単な詰まりは市販のラバーカップで直せるとされています。

仙台市は、トイレならラバーカップを排水口に密着させ、押したり引いたりを数回くり返す方法を紹介しています。押す時はゆっくり、引く時は勢いよく、と覚えておくとやりやすいですよ。

作業の後の片づけ

取り出した油や紙、根は、袋の口をしっかり縛ってごみに出しましょう。どのごみに出すかは、お住まいの自治体の分け方で確かめてください。

使ったスコップやバケツは水でよく洗い、手袋を外した後は手も洗っておきます。ふたが元どおりがたつかずに閉まっているかも、最後にもう一度見ておくと安心です。

『直ったから、もう見なくていいよね』と思いがちですが、数日は流れ方を気にかけておきましょう。また流れが悪くなるようなら、管の奥に原因が残っているサインです。

排水桝にパイプユニッシュは使える?液体クリーナーの向き不向き

屋外の桝の固まりには向かない

市販の液体パイプクリーナーは、台所・浴室・洗面所の排水口や排水パイプ用の製品です。屋外の排水桝の中で固まった油や土砂、木の根を溶かす用途の製品ではありません。

『桝にパイプユニッシュを流し込めば、溶けて流れるのでは?』と考える方も多いはずです。

家庭でよく使われる液体パイプクリーナーの1つ、パイプユニッシュは、製品の表示で用途が台所・浴室・洗面所の排水口・排水パイプとされています。屋外の桝の中の固まりを溶かすのは、製品の用途の範囲外なんです。

項目製品の表示の範囲屋外の排水桝のつまり
使う場所台所・浴室・洗面所の排水口・排水パイプ屋外の桝は用途の範囲外
使い方注いで15〜30分置いて、水で流す桝の中の塊はスコップで取り除く
放置長時間放置しない(取れた汚れが途中でつまるおそれ)長く置いても固まりを取る用途ではない
お湯熱湯は使わない熱湯を流し込むのも避ける
トイレトイレのつまりは解消できないトイレ側はラバーカップで対処する
家の中の排水口には上手に使う

液体パイプクリーナーは、家の中の排水口や排水パイプのぬめりなどには、製品の表示どおりに使えます。屋外の桝は取り除く、家の中の排水口は製品を使う、と分けて考えると迷いません。

薬品を混ぜたり、何種類も流したりしない

『1本で効かないなら、別の洗剤も足してみよう』というのはやめておきましょう。洗剤や薬品を混ぜて流すのは危ないので避けてください。

使う時は、1種類を製品の表示どおりに使うのが基本です。

自分でやらない方がいいサインと、やってはいけないこと

桝の中で取れない詰まりは、業者や市町村に任せる

桝の中の物を取り除いても流れない、公共ますに汚水がたまっている、管の奥まで根が回っている。こんな時は、自分で続けるより相談した方が早く確実です。

ここが大事なところです。自分でやるか、任せるかの判定表を作りました。

サイン考えられること判定連絡先の例
桝の中の塊を取ったら流れが戻った桝の中だけの詰まり自分で対処できたなし
塊を取っても水が引かない桝の先の管の詰まり任せる工事した会社・修理業者
何度掃除しても、またすぐ詰まる管の内側に油がこびりついている任せる修理業者(管の高圧洗浄)
管の奥まで根が回っている根の侵入任せる修理業者・指定工事店
桝が割れている・沈んでいる桝そのものの傷み任せる市の指定工事店
公共ますに汚水がたまっている公共下水道の側の詰まり自分では手配しない市町村の下水道の担当窓口
土の上に水がしみ出している地中の管の傷みや詰まり任せる工事した会社・指定工事店
排水桝のつまりで、自分で対処できるサインと業者や市町村に任せるサインを分けた判定表の図解
やってはいけないこと
  • 深い桝に腕を入れたり、身を乗り出して中をのぞき込んだりする
  • 洗剤や薬品を混ぜて流す
  • 灯油など危険な物を流す
  • 公共ますのふたの中に手を入れて作業する
  • 詰まったまま、家の水を流し続ける

業者に頼む時に伝えること

任せると決めたら、次のことを伝えると話が早いですよ。

「台所の外の桝に水がたまっていて、その次の桝は空です。公共ますには水がたまっていません。桝の油の塊は取りましたが、流れは戻りませんでした」

宅地内の排水設備の清掃で解消しない時は、市の公認の業者などに清掃や修理を頼むよう仙台市は案内しています。個人宅なら、管理会社やハウスメーカー、排水設備の工事をした業者に直接連絡するのも1つの方法です。

排水桝ドットコム

自分で直せない排水桝のつまりは、業者の見積もりで比べませんか

ふたを開けても原因が見えない、何度も詰まる、木の根が奥まで入っている。そんな時は無理をせず、つまり修理や排水管の工事を頼める業者に相談するのが近道です。頼む前に確かめることと、見積もりを同じ物差しで比べる手順をまとめました。

業者の選び方排水桝の修理業者の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。公共ますから先の詰まりは市町村の担当です。作業の内容・料金・保証は各業者に直接ご確認ください。

業者の探し方は業者に頼む方法と選び方で紹介しています。工事費用の内訳の見方は排水桝の工事費用の記事をどうぞ。

「無料点検」の訪問には気をつける

詰まりで困っている時に限って、「近くで下水道工事をしている」「無料で点検します」と訪ねてくる業者がいることもあります。横浜市は、こうした点検商法に注意するよう呼びかけています。

横浜市の案内では、家に入れない、身分証明書や業者名・連絡先を確かめる、といった対策が紹介されています。仙台市も、必要かどうか分からない時は即決せず、他の業者からも見積もりを取るよう呼びかけています。

よくある相談:排水桝のつまりを自分で直したけれど

よくある相談から

排水桝のつまりでは、自分で掃除したのにまた詰まる、あふれた桝を自分で直した後が心配、家の別の場所から音がする、といった相談がよく見られます。

油粕を取ったのに、またすぐ流れが悪くなる

排水桝の清掃をして油粕を取ったら一時的に良くなったけれど、また流れが悪くなってきたという相談です。

この場合、桝の中ではなく、桝と桝をつなぐ管の内側に油がこびりついていることが考えられます。桝の掃除では届かない部分なので、管の洗浄を業者に相談するのが現実的です。

あわせて、台所で油を流さない習慣も見直してみてください。原因を減らさないと、きれいにしてもまた同じことが起きてしまいます。

台所の桝があふれた。自分で油の塊を取ったけど大丈夫?

台所の排水桝が詰まって汚水があふれ、自分たちで油の塊を取り除いたけれど、これでよかったのかという相談です。

塊を取った後、水を流して次の桝へスムーズに流れていくなら、ひとまず桝の中の詰まりは解消しています。作業の後は、手袋や道具をよく洗っておきましょう。

ただ、桝からあふれるほど詰まったなら、管の中にも油がたまっている可能性があります。しばらくは流れ方の変化に気をつけて見ておくと安心です。

洗濯機を回すと、別の階のトイレからボコボコ音がする

洗濯機を回すと、2階のトイレから空気がボコボコと出てくるという相談です。

大量の水が一度に流れた時、どこかで流れが悪くなっていると、別の器具から空気が押し出されることがあります。まずは屋外の桝を見て、水がたまっていないか確かめてみましょう。

桝に異常がなく音だけ続く時は、家の中の管の流れや通気の問題も考えられます。この場合は、家を建てた会社や修理業者に相談しましょう。

排水桝のつまりを繰り返さないための予防

年1回ふたを開けて見るのが、いちばんの予防

仙台市は宅地内の排水設備の「定期健診」として、年1回程度ふたを開けて堆積物を取り除き、流れを確かめるよう呼びかけています。神戸市も、少なくとも年に一度の点検とお手入れをすすめています。

一度直っても、原因が残っていればまた詰まります。流す物と点検の2つを見直しておきましょう。

詰まりを防ぐ習慣
  • 油は流さず、凝固剤で固めるか紙にしみこませてごみに出す
  • 野菜くずや残飯は、排水口のごみ受けで止める
  • 紙おむつ・生理用品・水に溶けないティッシュは流さない
  • 年に1回は、桝のふたを開けて中を見る
  • 桝や管の近くに木を植えない

木を植える場所にも気をつける

仙台市は、樹木の根が宅地内の桝や管の隙間に入り込んで詰まりの原因になること、植える時は桝や管からなるべく距離をとることを呼びかけています。

庭に木を植える予定があるなら、桝の場所を確かめてから植える場所を決めておきましょう。

公共ますは開けられる状態にしておく

仙台市は、公共ますを埋めたり上に物を置いたりせず、すぐ開けられる状態にしておくよう呼びかけています。詰まった時に公共ますを見られないと、どこが詰まっているか見当がつけられません。

植木鉢や物置で桝がふさがっていないか、この機会に見ておくと安心ですよ。点検と掃除の詳しいやり方は排水桝の掃除のやり方で紹介しています。

よくある質問

排水桝のつまりは自分で直せますか?

桝の中に見えている油の塊や土砂、紙などなら、手袋とスコップで取り除いて直せることが多いです。取っても流れない時は、管の奥の詰まりなので業者に相談しましょう。

排水桝にパイプユニッシュを流してもいいですか?

パイプユニッシュは、製品の表示で台所・浴室・洗面所の排水口・排水パイプ用とされています。屋外の桝の固まりを溶かす用途の製品ではないので、桝の中の物は取り除いて対処しましょう。

排水桝のつまりを自分で直す時に必要な道具は?

ゴム手袋、スコップ、バケツ、ごみ袋、ホースが基本です。根が見えている時ははさみ、ふたを開ける時はマイナスドライバーがあると便利です。

公共ますが詰まっている時はどうすればいいですか?

市町村の下水道の担当窓口に連絡しましょう。自分で業者を呼ぶと、原因が公共下水道でも業者の費用は自己負担になります(仙台市)。

排水桝のつまりを防ぐには、どのくらいの頻度で点検すればいいですか?

仙台市や神戸市の呼びかけでは、年1回程度ふたを開けて点検するのが目安です。雨水桝の泥だめは、広島市が月1回程度の清掃を呼びかけています。

まとめ

この記事の要点
  • 詰まりの場所は、家の中の器具・宅地内の桝と管・公共ますから先の3段階で見当をつける
  • 先に公共ますを見て、汚水がたまっていれば市町村に連絡する
  • 桝の中の油・土砂・紙・細い根は、手袋とスコップ、はさみで取り除ける
  • パイプユニッシュなどの液体クリーナーは家の中の排水口用で、屋外の桝の固まりには向かない
  • 取っても流れない、管の奥に根が回っている時は業者に任せる
  • 年1回の点検と、流さない物の習慣で詰まりを防ぐ
排水桝ドットコム

排水桝ドットコム 編集部

排水桝とは何か、家のどこにあるか、汚水桝・雨水桝・トラップ桝などの種類、つまりや木の根の対処と掃除の方法、工事や業者の頼み方までを、家の持ち主の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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