排水管と排水桝の接続|立水栓の排水をつなぐ時の注意点

排水管と排水桝の接続と、立水栓の排水をつなぐ時の注意点を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が市町村の下水道の案内や国民生活センターなど公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。排水設備の基準や管理の区分、指定工事店の制度は市町村によって違うことがあるため、最新の情報はお住まいの市町村の下水道の担当窓口で確認してください。

庭に立水栓を付けたい、外に流しを置きたいと考えて『近くの桝につなげばいいだけでは?』と思った方も多いはずです。

結論から言うと、排水管を排水桝に接続する工事は、市町村が指定する工事店に頼む「排水設備の工事」です。しかも、どの桝につなぐかは自治体の方式で決まっています。

この記事を読むと、接続の工事が指定工事店の仕事になる理由と、立水栓の排水のつなぎ先の考え方、頼む前に確かめることが分かります。

目次

排水管を桝につなぐのは、指定工事店の仕事

先に結論

宅地内の排水管や桝を新しく設ける・増やす・作り替える工事は、市町村の指定工事店でなければできません。横浜市の下水道条例でも、排水設備の新設等の工事は市長の指定する者でなければ行えないと定めています。

『管を1本つなぐだけなのに、そんな大げさな話なの?』と感じますよね。

実は、家の排水管や桝は「排水設備」と呼ばれ、公共の下水道につながる大事な設備なんです。台所・風呂・トイレの汚水や、敷地に降った雨水を下水道へ流すために、宅地内に設けた管や桝を指します(横浜市の案内)。

つなぎ方を間違えると、自分の家だけでなく、下水道全体の流れにも影響します。だからこそ、市町村が決めた基準を知っている指定工事店が工事をする決まりになっているんです。

やりたいこと区分の考え方頼む相手
庭に立水栓を付けて排水を桝につなぐ新設・増設市町村の指定工事店
外に流しや洗い場を置いて排水をつなぐ新設・増設市町村の指定工事店
割れた排水管を新しい管に替える改築市町村の指定工事店
桝の位置を動かす改築市町村の指定工事店
桝や管の中の詰まりを取る・洗う清掃(工事を伴わない)指定工事店でなくてもよい

他の市町村にも同じような制度があり、呼び方は「指定工事店」「公認排水設備工事業者」などさまざまです。指定工事店の一覧は市町村のサイトで公開されています。

指定工事店かどうかの確かめ方

『見積もりに来てくれた会社が指定工事店か、どう見分けるの?』と迷いますよね。手順はシンプルです。

指定工事店を確かめる手順
  1. 市町村のサイトで「排水設備 指定工事店」の一覧を探す
  2. 見積もりを頼んだ会社の名前と所在地を一覧と照らし合わせる
  3. 一覧で見つからない時は、会社に指定を受けている市町村を聞く
  4. それでも分からない時は、市町村の下水道の窓口に問い合わせる

横浜市は、区ごとの指定工事店の一覧をPDFで公開しています。一覧は市町村ごとなので、住んでいる市町村の一覧で確かめてみてください。

立水栓の排水は、汚水桝と雨水桝のどちらにつなぐ?

つなぎ先は自治体の方式で決まる

立水栓の排水を汚水の桝につなぐか、雨水の桝につなぐかは、住んでいる地区が合流式か分流式か、そして自治体の排水設備の指針で決まります。自分の判断で選ぶものではありません。

ここがいちばん迷うところですよね。『雨水桝の方が近いから、そっちでいいのでは』と考える方もいます。

まずは、自分の地区の下水道の方式を知っておきましょう。方式は市町村、または地区ごとに決まっています。

方式どう流すか宅地内の桝道路際の公共ます
合流式汚水と雨水を1本の管で流す汚水と雨水が最後に合流する1宅地に1つ(仙台市)
分流式汚水と雨水を分けて流す汚水桝と雨水桝が別々の系統汚水ますと雨水ますが各1つ(仙台市)

分流式の地区では、汚水は下水道の汚水管へ、雨水は雨水管や道路の側溝へ流れます。誤って汚水を雨水管に、雨水を汚水管につなぐと、公共下水道の役割を損なうとされています(各市の排水設備指針)。

立水栓の排水のつなぎ先を、合流式と分流式の地区ごとに確かめる流れを示した図解

つなぎ先を決めるための判定表

『結局うちはどっちなの?』という方は、下の表で確かめる順番を見てみてください。答えを出すのは自治体の指針と指定工事店ですが、聞く準備になります。

確かめること調べ方分かったら
地区が合流式か分流式か市町村の下水道の窓口、公共ますの数分流式なら汚水と雨水の系統を分けて考える
立水栓で使う水の中身手洗い・洗車・野菜洗い・掃除など汚れた水が流れるかを工事店に伝える
近くの桝が汚水か雨水かふたの表示、中の形(溝か泥だめか)系統を間違えないための材料になる
自治体の指針の扱い指定工事店に確認する指針に沿ったつなぎ先で工事してもらう

公共ますが1つなら合流式、汚水ますと雨水ますが2つあれば分流式の可能性が高いと考えられます(仙台市の案内)。桝のふたの表示や中の形の見分け方は、汚水桝・雑排水桝・雨水桝の違いで紹介しています。

自治体で呼び方や区分が違うことがあるので、最新・詳しくはお住まいの市町村の下水道の担当窓口で確認してみてください。

勝手につなぐと何が起きる?誤接続・逆流・におい

よくある失敗

近いからという理由で、立水栓や外の流しの排水を手近な雨水桝につないでしまうことです。分流式の地区では、汚れた水が雨水管を通って側溝や川へ流れることになります。

『ホームセンターで部品を買えば、自分でもできそう』と思うかもしれません。

ただ、排水設備の新設や改築は指定工事店でないとできない決まりです。部品をつなぐ作業そのものより、つなぎ先と管の勾配、桝の位置を基準どおりにすることが大事なんです。

起きやすいことなぜ起きるか困ること
誤接続汚水と雨水の系統を取り違える公共下水道の役割を損なう。直すにはやり直しの工事が要る
流れが悪い・詰まる勾配が足りない、合流のさせ方が悪い桝に水やごみがたまりやすくなる
においが上がるにおいを止めるしくみを考えずにつなぐ立水栓や外の流しの排水口から下水のにおいがする
逆流大雨の時に下水道管の水位が上がる低い位置の排水口から水があふれることがある
排水管を自己流で排水桝につないだ時に起きやすい誤接続・流れの悪さ・におい・逆流の4つを並べた図解

ますを設ける場所にも基準があります。排水管の起点・終点、合流点、曲がる所、管の太さや勾配が変わる所などに桝を置くことが、各市の指針で決められています。

例えば、既にある管の途中に新しい管を横からつなぐ場合、そこが合流点になります。基準どおりなら桝が必要になる場面なので、自己流でつなぐと後で点検も掃除もしにくくなります。

においを止めるしくみも大事

台所や洗面所、風呂場の排水設備には、水をためてにおいを止めるトラップを付けます(仙台市の案内)。外の流しの排水をつなぐ時も、においをどこで止めるかを考えておく必要があります。

一方で、トラップが2つ続く「二重トラップ」は避けるよう、自治体の資料では注意されています。どこにトラップを置くかは、指定工事店に任せましょう。

低い位置の排水口は大雨の時に気をつけたい

大雨の時は下水道管の水位が上がり、特に合流式の地区では、浴室や洗面所の排水口から下水が逆流する危険があるとされています(横浜市の案内)。

庭の低い場所に流しや排水口を新しく付ける時は、この点も工事店に相談しておくと安心です。地下室や道路より低い土地の排水については、ポンプアップ排水と排水桝で紹介しています。

古い管と新しい管をつなぐ時

築年数の古い家では、桝や管の材質が今と違うことがあります。今の宅地内の排水管は、硬質塩化ビニル管が主に使われています(各市の指針)。

材質の違う管どうしをつなぐ時は、継ぎ目から水が漏れたり根が入ったりしないよう、つなぎ方に工夫が要ります。古い管とつなぐ予定がある時は、見積もりの段階で伝えておきましょう。

接続工事を頼む前に確かめること

伝える情報がそろうと、見積もりも比べやすい

頼む前に、どこに何を付けたいか、使う水の中身、近くの桝の種類をメモしておくと、工事店との話が早く進みます。複数の業者から見積もりを取る時も、同じ情報を渡せば比べやすくなります。

『何を準備しておけばいいの?』という方は、下のチェックを使ってみてください。

接続工事を頼む前のチェック
  • 立水栓や外の流しを付けたい場所を決め、写真を撮っておく
  • そこで使う水の中身(手洗い・洗車・野菜洗い・掃除など)を書き出す
  • 近くの桝の場所と、ふたの表示を確かめておく
  • 道路際の公共ますが1つか2つかを見ておく
  • 頼む会社が市町村の指定工事店の一覧に載っているか確かめる
  • 工事内容・費用・工期を見積書に書いてもらう

横浜市は、複数の業者から見積書を取ること、工事内容・費用・工期を事前に確認することを呼びかけています。業者によって対応できない工事があることも、注意点として挙げられています。

桝の場所がよく分からない時は、排水桝の場所の見つけ方を見ながら敷地をひと回りしてみてください。

費用の見方と業者の探し方

接続の工事は、掘る範囲や管の長さ、つなぐ桝までの距離、舗装を直す作業の有無で中身が変わります。見積書の内訳の読み方は、排水桝の工事費用の決まり方で紹介しています。

家を建てた会社や、前に排水の工事をした会社に相談するのも1つの方法です。業者の探し方と頼み方は、排水桝の修理を業者に頼む方法にまとめています。

排水桝ドットコム

自分で直せない排水桝のつまりは、業者の見積もりで比べませんか

ふたを開けても原因が見えない、何度も詰まる、木の根が奥まで入っている。そんな時は無理をせず、つまり修理や排水管の工事を頼める業者に相談するのが近道です。頼む前に確かめることと、見積もりを同じ物差しで比べる手順をまとめました。

業者の選び方排水桝の修理業者の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。公共ますから先の詰まりは市町村の担当です。作業の内容・料金・保証は各業者に直接ご確認ください。

排水桝の接続でよくある相談

「どの桝につなぐか」の相談が多い

接続の相談でいちばん多いのは、どの桝につなげばいいか、という悩みです。答えは自治体の方式と指針で決まるので、窓口と指定工事店に確かめるのが近道です。

ガーデンパンの排水は、汚水桝と雨水桝のどちら?

庭の立水栓の受け皿(ガーデンパン)の排水を、汚水桝と雨水桝のどちらにつなぐべきか、という相談です。

結論から言うと、住んでいる市町村の指針で決まります。分流式の地区では、汚水と雨水を取り違えると公共下水道の役割を損なうので、自己判断は避けましょう。

市町村の下水道の窓口に「立水栓の排水はどちらにつなぐ決まりですか」と聞くか、指定工事店に確認してもらうのが確実な方法です。

家のまわりの桝は、トイレの水も流れている?

住宅のまわりにある青や白の桝に、トイレの水も流れているのか、という相談も見かけます。

家によって、トイレの汚水と台所や風呂の雑排水を1つの系統で流していることもあれば、雨水だけの桝もあります。ふたの表示と中の形を見れば、どの水が流れる桝かの見当がつきますよ。

新しく付けた排水管、つなぎ方は合っている?

工務店に頼んで、台所の新しい機器の排水管を外の汚水桝につないでもらった。施工が合っているか不安、という相談です。

『見ても分からないし、どう聞けばいいの?』と思いますよね。そんな時は、工事をした会社に「どの桝に、どんな勾配でつないだか」を説明してもらいましょう。

心配が残る時は、工事をした会社が市町村の指定工事店かどうかも確かめておくと安心です。

よくある質問

排水管と排水桝の接続を自分でやってもいいですか?

宅地内の排水設備の新設・増設・改築は、市町村の指定工事店でなければできません。部品をつなぐ作業そのものより、つなぎ先と勾配、桝の位置を基準どおりにすることが大事です。

立水栓の排水は雨水桝につないでもいいですか?

つなぎ先は、地区が合流式か分流式か、自治体の指針で決まります。市町村の下水道の窓口か指定工事店に確認しましょう。

自分の地区が合流式か分流式か、どうやって調べますか?

市町村の下水道の窓口で確認できます。道路際の公共ますが1つなら合流式、汚水ますと雨水ますの2つがあれば分流式の可能性が高いと考えられます。

接続工事の業者はどう選べばいいですか?

市町村の指定工事店の一覧に載っているかを確かめ、複数の業者から見積もりを取って工事内容・費用・工期を比べましょう。

既に自分でつないでしまった排水管はどうすればいいですか?

つなぎ先が自治体の決まりに合っているかを、市町村の下水道の窓口か指定工事店に確認してもらいましょう。汚水と雨水を取り違えていた場合は、指定工事店にやり直しの工事を相談することになります。早めに見てもらうほど、手直しの範囲も小さく済みやすくなります。

まとめ

この記事の要点
  • 排水管と排水桝の接続は、市町村の指定工事店が行う排水設備の工事
  • 立水栓の排水のつなぎ先は、合流式か分流式かと自治体の指針で決まる
  • 汚水と雨水の取り違えは、公共下水道の役割を損なう
  • 勝手につなぐと、流れの悪さ・におい・逆流につながりやすい
  • 頼む前に、場所・使う水・近くの桝・公共ますの数をメモしておく
排水桝ドットコム

排水桝ドットコム 編集部

排水桝とは何か、家のどこにあるか、汚水桝・雨水桝・トラップ桝などの種類、つまりや木の根の対処と掃除の方法、工事や業者の頼み方までを、家の持ち主の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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